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 中学の英語教師が作ったシェイクスピアかるた『沙翁百人一句』

遊んでいるうちにシェイクスピアの名言を覚えられたら、世界に通用する教養が身についたら素敵だと考え、シェイクスピア劇の登場人物百名の台詞をかるたにした『沙翁百人一句(しゃおうひゃくにんいっく)』いわばシェイクスピアの百人一首を作りました。

 もし学習の目的は何ですかと問われたら、テストで良い点数を取るためと考えてる児童生徒の皆さんが多いと思います。
 しかし大事なのはテストの点数ではありません。身につけるべきことをちゃんと身につけ たかどうかです。その身につけるべきこととは基礎的な知識、技術、能力です。それらをまとめて基礎教養とも呼びます。
 ところが残念ながら、それを身につけるための学習を楽しくないと感じている児童生徒は多いようです。
 遊んでいるうちに、楽しんでいるうちに教養が身についたらどうでしょう。ご家庭で、学校で、お母さんがお子さんと一緒に、先生が児童生徒と一緒に、あるいはお友達同士で、遊んでいるうちにシェイクスピアの名言を自然に覚えられたら素敵だと考 え、『沙翁百人一句(しゃおうひゃくにんいっく)』を 作りました。これはシェイクスピア劇の登場人物百名の台詞をかるたにした、いわばシェイクス ピア百人一首です。
 シェイクスピアの名言なんて学校のテストで出題されることはないかもしれません。だからテストで点数を取ることが目的ならば、シェイクスピアの名言を覚える必要なんてありません。しかし世界で通用する教養です。
 普段の生活では教養を身につけていることの重要性を感じることはあまりありません。なぜなら教養がその真価を発揮するのは、人生のここ一番という大事な場面においてだからです。人生の困難と戦う武器のひとつが、人生を切り拓く道具のひとつが、あるいは新しい世界に入るためのパスポートの1ページが教養です。
是非ご家庭で、学校のレクの際、あるいはお友達とこのかるたで遊んでください。そして楽しみながら教 養のひとかけらを身につけてください。

もしあなたがお父さんかお母さんで、あなたのお子さんがまだ幼ければ、このかるたで遊んでください。繰り返し遊んでください。
 直ぐにその成果を知ることは出来ません。しかしお子さんが幼児、児童、生徒と成長するにつれ、物事に対する取り組み方、目つき、発する言葉などで効果の一端を垣間見ることになるでしょう。
 幼い子にシェイクスピアの名言は難しすぎるのではと心配する必要はありません。内容の深い意味が分からなくてもいいのです。素晴らしい言葉に日常的に接していることが重要なのです。
 そしてそのうちにあなたのお子さんは、札の台詞について「どういう意味なの」「なぜなの」「誰なの」といっぱい質問するようになるでしょう。その時にあなたがその質問に答えられたなら、いろいろ教えてあげてください。解説書に載せた記述が参考になれば幸いです。
 しかしもしあなたが的確に答えられなくても問題はありません。「お父さん(お母さん)はこういう意味だと思う」「難しいね。ネットで調べてみようか」「図書館でその本を借りてみようか」とお子さんが興味を抱いたことに対し、親子で話し合ったり、ネットで調べてみたり、あるいは一緒に図書館に行ってみてください。
 極端なことを言えば、直ぐに答えが見つからなくてもいいのです。あなたがお子さんと遊んで、話し合って、調べたり、捜したりする過程で、お子さんには、興味を抱いたことに取り組む「真面目さ」「粘り強さ」「意欲」が育まれます。
 幼児期には、学力試験では測れない能力である「真面目さ」「粘り強さ」「意欲」を育むことが大切なのです。なぜなら就学前にこれらを持った子供と持たない子供の人生は、成長するにつれ、どんどん分かれていくからです。試験で測れる学力を身につけたかどうかは、それほど重要ではないのです。
 そしてその学習素材がシェイクスピアの珠玉の言葉であれば、悪い結果を生むことはありません。だからお子さんと一緒にこのかるたで遊んでください。
このかるたで遊んでも、あなた自身の人生は劇的には変わらないかもしれません。しかしあなたのお子さんと繰り返しこのかるたで遊べば、お子さんは珠玉の言葉に良い影響を受けて、きっと豊かな人生を送るようになりますよ。